人を動かす商談〜システムの営業〜
Mouse乳業の中森さんは、経費申請業務を自動化するため、システムの導入を検討していました。
導入の候補となっているシステム会社の営業担当者から、システムの説明を聞いた時の話です。
営業担当者「……以上がシステムの説明となります。何かご質問はありますか?」
中森さん「過去に発生した経費の推移を表にす…」
営業担当者「それはできないですね。ボタンを押せば経費の推移がグラフになるというような機能はありません」
中森さん(まだ話してるのに……それに、グラフにして欲しいなんて言ってないだろう)
「でも、データはシステムに入ってるのですから、それを抽出すれ…」
営業担当者「それはできます。ただしこのように明細一つ一つが並んで表示されるのですよ」
中森さん「なるほど。明細の種類ごとに合算す…」
営業担当者「それもできないですね。全ての明細が一つずつ表示されるので、あとはそれを二次加工する必要があります」
中森さん「……」
(なんかフラストレーションが溜まるな…)
☆mimuraの提案☆
この営業担当者は注文を取りたかったのですが、焦りすぎたようです。自社製品の説明をする前に、相手の求めているものを把握してはどうでしょうか。
仮に相手の求めているものを提供できなくても、話をしっかり聞くことで相手のフラストレーションを減少させることができるでしょう。
営業担当者「…以上がシステムの説明となります。何かご質問はありますか?」
中森さん「過去に発生した経費の推移を表にすことはできますか?」
営業担当者「表の作成ですね。例えばどのような表を作成されたいのでしょうか」
中森さん「明細ごとの合計額を一覧にしたいのです。交通費がいくら、消耗品がいくら、というような表です」
営業担当者「かしこまりました。あいにくこのシステムでは、このようにひと明細ずつの抽出となります。お役に立てず申し訳ありません」
中森さん「そうですか。自動ではできなくても、抽出した後に二次加工すれば表を作成できますね。わかりました」
〜使用した原則〜
良い聞き手になる。相手に自分のことを話させる。